90年代の変わったファッショントレンド

90年代は、日本の若者のファッションがとても個性的だった時代です。海外の映画や音楽の世界観の影響を存分に受け、原宿や渋谷を中心に、ユニークなファッションとカルチャーが生まれ発信されていた、文化的に活気のあった時代です。そういった日本の原宿・渋谷カルチャーは世界でも注目を集め、いまの「Kawaii」ムーブメントにもつながる存在感を発揮しだした時期でもあります。

高校生がクレイジーなファッショントレンドを発信

様々なファッションスタイルが生まれ、ミックスされていた90年代。中でも特筆すべきなのは、その流行がほとんど高校生が発信したものだったこと。80年代までは、トレンドの主役は「女子大生」でした。それが90年代には安室奈美恵さんが出てきたことがきっかけで、日焼けをして髪にメッシュを入れるという彼女のファッションスタイルを真似た「ギャル」が一大ムーブメントになりました。また、これと対をなして台頭してきたのが「裏原宿」カルチャー。シックさがベースにあるギャルファッションと対照的に、裏原宿ファッションは古着などを中心に、これでもかくらい個性的なスタイルなのが特徴です。

渋谷発、ギャルカルチャー&ファッション

彼女たちは、ほかには海外セレブのファッションを真似ており、ハイブランドを取り入れたカジュアルスタイルが中心でした。そのうち、サーフカルチャーを取り入れたり、後にはヒップホップスタイルがミックスされたり、様々なファッションとミックスされ細分化していったようです。

「読者モデル」も登場し、eggやpopteenといった雑誌に現役高校生のモデルが登場し、人気を博しました。ギャルブームはのちにヒートアップし、肌を極限まで黒く日焼けさせ、塗り潰したようなアイメイクのゴングロギャルへと進化をとげる女の子たちも多くいました。

原宿発、裏原宿カルチャー&ファッション

原宿では裏原ブームが巻き起こり、古着などを中心にcutieやzipperなどをお手本としたスタイルが人気に。また、ロンドンのパンクカルチャーに影響された「パンクブーム」が起こり、グランジロックスタイルも流行りました。当時のラフォーレ原宿前や竹下通りには、チェックのスカートにドクターマーチンのブーツといったコーデであふれていました。その後、さらに進化をとげ、黒づくめに安全ピンだらけのゴスロリブームへとつながります。